喪服について
女性が冬に喪服を着るときのマナーとは?事前にしっかりおさえておこう
喪服は通年着られるものがほとんどですが、寒い冬の時期は喪服1枚だと寒さに耐えられないこともあります。 そのような場合は喪服にプラスして寒さ対策をしたいと考えるでしょうが、「コートやカーディガンは着用しても良いの?」「防寒用の小物を使っても大丈夫?」など疑問に思う人もいるはずです。 そこで今回は冬に喪服を着るときのマナーや、防寒具の着用がOKなのかについてご紹介します。急に決まった冬の葬儀でも慌てなくて済むよう、あらかじめマナーをおさえておきましょう。 冬に喪服を着るときのマナーをきちんと理解している? 「喪服と呼ばれる服さえ着ていればマナー違反にはならない」と、なかにはこのようにお考えの方もいるかもしれません。 しかし、喪服を着用するにあたって細かいマナーがいくつかあるので、冬だけに限定せず、常にマナー違反にならないよう、喪服を着るときのマナーをきちんと理解しておきましょう。 喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類ある 喪服には喪主や親族が着用する「正喪服」と、喪主・親族・参列者が着用できる「準喪服」、そして手持ちの服で出席する「略喪服」の3種類あります。 準喪服はどの立場でも着られますが、正喪服は基本的に喪主・親族の場合に葬儀へ参加するときしか着用できないので注意が必要です。 また、略喪服は喪服がないときに、ダークトーンの私服を喪服代わりに着用します。正式な喪服ではないので、毎回略喪服で出席すると「マナーを知らない」と思われる可能性があるので、正喪服か準喪服を1着は持っておくのが良いです。 冬は防寒具を利用しても良いがマナーがある 喪服は通年着られるように作られているものがほとんどですが、寒さが厳しい冬の時期は、喪服1枚では寒さに耐えられないこともあります。 そのため、寒さを凌ぐために防寒具を利用しても問題はありません。ただし、細かなマナーがありますので、手持ちの防寒具はどれでも着用できるというわけではないのです。 基本的に、 派手なイメージを与える光沢がある小物やキラキラ光る小物 殺生を連想させる毛皮や昆虫類の皮革、動物の革の小物 ダークトーン以外のカラーの上着・小物 などは葬儀の場に相応しくありませんので、防寒具を選ぶときに注意しましょう。 冬に喪服を着るときはコートやカーディガンを着用してもいい? 防寒具を着用できると言われても、具体的にどのようなものならマナー違反にならないのかわからない方もいるでしょう。 そこで、コートやカーディガンは喪服と合わせて着ても問題がないのか、詳しく説明します。 喪服には「きちんと感」のあるコートを合わせる 喪服1枚では寒さを感じるときは、喪服の上からコートを羽織ってもかまいません。ただし飾りボタンが多い、キラキラした装飾がついているといった、華やかな雰囲気に見えるコートは控えましょう。 また、ジャンパーやブルゾン、ダウンベストなど、カジュアルな印象を与える上着も葬儀の場には相応しくありません。もちろん、ダークトーン以外のカラーのコートも、葬儀のマナーに反してしまうのでNGです。 喪服の上に着るコートを選ぶときは、 黒や濃いグレーなどダークトーンのカラー 光沢やキラキラした装飾がないシンプルなものを選ぶ カジュアルなデザインは控える などに注意をして、「きちんと感」のあるものを選びましょう。 カーディガンもデザインに注意すれば着用可能 「コートを着るほどではないけれど、ちょっとした羽織りものが欲しい」というときは、カーディガンを着用することも可能です。 ただしこちらも色やデザイン、装飾などには注意しなければいけません。黒のシンプルなカーディガンを喪服に合わせる用として持っておくのがおすすめです。 一つ注意していただきたいのが、ご焼香のときはカーディガンを脱ぐという点になります。ご焼香のときは袖が邪魔になるときもあるので、肌寒くてもこのときだけはカーディガンを脱ぎましょう。脱いだカーディガンはイスの上に軽く畳んで置いておけば良いです。 インナーで寒さ対策をするという手も 喪服に合いそうなコートやカーディガンがない場合は、インナーで寒さ対策をするのも一つの方法です。 たとえば、起毛タイプや保温効果がある下着に変えるだけでも、多少の寒さなら耐えられます。ジャケットタイプの略喪服を着るときは、少し厚手の長袖ブラウスを着用するのも良いでしょう。ブラウスは黒を選びます。 そのほか、カイロや膝掛けもおすすめの防寒アイテムです。カイロは腰やお腹に貼ると全身が温まるので参考にしてください。膝掛けはダークトーンでシンプルなものを選びましょう。 冬の喪服に合わせる小物類はどうしたらいいの? タイツや靴、手袋なども、寒さ対策で普段の葬儀と違うものを着用するときは注意が必要です。 基本的に葬儀は黒のタイツで出席するのがマナーですが、ストッキングは厚手のものでも寒さを感じるので、タイツを着用してもかまいません。ただし60デニール以上のタイツはカジュアルなイメージになるので選ばないほうが無難です。 靴についてはブーツの着用がNGのため、足回りが寒いかもしれませんが、黒のパンプスなどを履いてください。 葬儀場に入るまでなら手袋の着用も可能です。色は黒などダークトーンのものを選び、葬儀場に入ったら外すのがマナーと覚えておきましょう。 冬の葬儀でバタバタしないようにあらかじめ喪服を購入しておこう 喪服や寒さ対策として着用するコートや小物類にはいろいろとマナーがありますから、当日になって全てをマナー通りに揃えようとしても上手くいかないときもあるでしょう。 失敗してマナー違反にならないために大切なポイントを2つご紹介します。 喪服はあらかじめ1着以上は持っておくべき 喪服は購入せず、レンタルしたり他人から借りたりして用意することも可能です。しかし決まったデザインのものでないと、寒さ対策として持っているコートや小物類とデザインが合わないこともあります。 ちぐはぐな格好で葬儀を出席するのは誰でも避けたいはずです。それに、借りた喪服に合う防寒具を当日になってバタバタと探すのは慌ただしさを感じます。 当日に慌てるのを防ぐためにも、大人として喪服を1着持っておくのがおすすめです。準喪服を持っておけば喪主のときでも参列者のときでも着られます。 近ごろはネット通販で安くて質の良い喪服が買えますから、時間のあるときに自分に合う喪服を探してみてください。 喪服を購入したら防寒具も喪服用に揃えておく せっかく喪服を購入したのに、「おしゃれなコートしかない」「キラキラしたタイツしかない」では、マナー違反で葬儀に出席することになるかもしれません。 そのため、喪服を購入したら、合わせて喪服用のコートとカーディガン、膝掛けを用意しておきましょう。手持ちの服から探す手間が省け、マナー違反になることも防げます。 まとめ 葬儀に出席するときの服装にはマナーがたくさんありますが、だからと言って寒さを我慢して出席しなければいけないものではありません。 派手でなく、葬儀の場に相応しいデザインなら、コートやカーディガンを着用しても問題ないのです。ただし、手持ちのもので揃えようとすると、マナー違反にならないアイテムが見つからないこともあります。 当日になって慌てず、大人の余裕を持って葬儀に参加するには、喪服と合わせて葬儀用の防寒具もあらかじめ用意しておきましょう。